1979年6月29日、白バイの先導で巨大な卵を荷台に積んだトラックがサンディエゴ・スタジアムに現れる。47000人の観客が駆けつけた球場にヨハン・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』が流れ、選手達の手を借りてその卵はグラウンドに降ろされた。間もなくして卵はゆっくりと二塁の方向へ転がり、卵の中からチキンが飛び出した。これが球史に於いて有数のパフォーマンスとして後世に語り継がれる事になるサンディエゴ・チキン復活劇、 "The Grand Hatching"である。10分にも及ぶスタンディングオベーションで迎えられ、全国ニュースでもその様子は報じられた。