やがて巡り来るこれからの日々のために
〜Close the door,and open my eyes〜RC1
風のクロノア?同人誌 字コンテ初稿

前回分と差異がある所は文字色を赤色にしています。
また、マンガでの発表を予定しているので、マンガのネーム部分でない情景説明は青色にしています。




Prologue

 

クロノア1OP ヒューポーとの出会いのシーンを元にリライト?
何かに呼び寄せられるようにクロノアは森の中へ→そこでリングを見つけ→出てきたヒューポーとETタッチ→ブリーガルの村を駆け回る?
そこに以下のモノローグが被さる。



子供の頃、僕は夢見がちな少年で

いつも心のなかの世界で旅をしていた

ある日、僕は親友と出会う

リングの精 彼の名前はヒューポー

彼とぼくはすぐ友だちになる

だけどそんな僕たちの前に

忘れられない あの事件が起こったのだった――


フェイドアウト(ブラックアウト)。


1

Vision 4-2 ボス戦後。クロノアは壊滅した家の前で呆然と立ちつくしている。ヒューポーはクロノアの隣に。寄り添う――という風ではなく、微妙に距離を開けてクロノアを見つめている。孤独になったクロノアにどう声をかけていいかわからず、かといって一人にできなくてただ何時ものように“傍にいる”ことしかできないでいる。
気まずい時が二人の間に流れ、そんな中意を決してヒューポーは口を開く。

ヒューポー 「気持ちはわかるけど……」だけどヒューポーは目をあわせられない。
クロノア 「……」クロノアの視線は家に注がれる。ヒューポーには一瞥もくれていない。
ヒューポー 「ガディウスを追わなきゃ……」本来の立場”を優先してしまうヒューポー。
クロノア 「……」表情かわらずクロノア。
ヒューポー ヒューポー、明るい表情を作ろうとするが、心にひびく重石で不器用な相貌になってしまう。「……ほら、じっちゃん、助かるかもしれないって、助けてみせるって、応急処置してくれたお医者さんも言ってたじゃん!だから今はとりあえず――」
クロノア そんなヒューポーに対して、クロノアは言う。「……ヒューポー、もうやめよう」
ヒューポー 「……クロノア」表情が固まるヒューポー。
クロノア 「僕がオババの元に行かなかったらこんなことにならなかったんだ。オトナの人に頼めばこんなことにならなかったんだ。僕が好奇心を出さなければ……」クロノア、両手をこめかみに当て、わなわなと震えだす。
ヒューポー 「……ち、違うよっ!クロノア!君のせいじゃないッ!」悲鳴をあげるようにヒューポー。
クロノア 「じゃあこれは一体何なんだよッ!ヒューポーッ!」クロノア、ヒューポーと顔をあわせ怒鳴る。
ヒューポー ヒューポーは声を出せない。言葉をかけられない「……」
クロノア 涙をぼろぼろと流すクロノア。声は震え、だが搾り出すようにひとことひとこと喋る「……僕はもうイヤだ。こんなことが起こるなんて思っていなかった。僕はみんなのことを考えて――」
ヒューポー 「……だけど、クロノア……それでも君は――」
クロノア そんなに行きたいんだったらもう一人で行けよッ!
  ――クロノア、リングを野原に投げつけ、家の跡から走りさる。
ヒューポー 「クロノアッ……!」
――野原に転がるリングとそれに宿るヒューポー。マヌケな構図になりそうなのでここのカットはちょっと一考します。


――村の中を駆け抜けていくクロノア。行く当てはなく、涙だけが頬の後ろへとただ流れ去っていく。このカットにヒューポーの「クロノア……」を被らせたほうがいいかな。


2

Vision1-2のガケのようになっている所にひとり座っているクロノア。リングとヒューポーは傍にいない。1:ただぼんやりと時が流れるのに身を任せる 2:まだ目から零れ落ちてくる涙をふいている の二つのどちらか。
クロノア 「ヒューポー……」ヒューポーをおもっているのではなく、ただなんとなく無意識的に言葉をくちに出したらヒューポーの名前が出てきた、みたいなカンジに。
ジョーカー ――そしてそこに割り込むようにジョーカー。飛空ポッド(ナウシカの子オームをくくりつけてたヤツと似ているアレ)に乗ってクロノアの眼前に立ちはだかっている
「おやー?こんなところでお子様ネズミちゃん、何をなさっているんですカー?」
クロノア 「ジョ、ジョーカー!」クロノア、リングを構えようとするが、リングを投げ捨てていたことに気付く。
カット割としてはこんなカンジ。左が「ジョーカー!」右が次のセリフ
ジョーカー 「おやおや、お友達と一緒じゃないんですねえ。今は」からかうようにジョーカー
クロノア 「く、くそっー……!」ジョーカーが居る方向とは反対側に駆け出し、逃げようとするが……
ジョーカー 「ややや、逃げようったってそうはいきませんよ」足の速い飛行ポッドですぐに追いつき併走され、飛行ポッドの両脇からにょっきり生えたマジックハンドでクロノアを捕まえる。ガケから身を離され、はるか下は滝つぼ。身動きが取れないクロノア。
クロノア 「くそっ!はなせっ……!」じたばたともがくクロノア
ジョーカー

「相変わらずじたばたうるさいお子様ですね――」嗜虐欲で口元がゆがむジョーカー……たって、ジョーカー表情なんてないからそんなの無理じゃん!ということで超クローズアップで、顔に横線のタッチいれるぐらいか?
「――ガディウス様がお待ちです。それまでお静かにしてなさい……!」
三本目のマジックハンドがクロノアの首筋に伸び、そのマジックハンドには注射器が。睡眠薬を打ち込まれ、昏倒するクロノア――って、首筋に注射針ってかなりキケンだと(っつーか背骨どうやって貫通すんだ?)おもうけど、一番エロく描くにはこうしかないんじゃないっすかね。どうでしょう。
かくん、とうなだれ眠るクロノアを連れ、飛行ポッドは一路ガディウスの元に。



3

クロノア、豪華に飾られた寝室のベッドの上で目を覚ます。薄暗い部屋。周りを見渡してもだれも居ない……のかな。ベッドの上に直接寝ていたのではなくて、クロノアの上には掛け布団がかけられている。肩にかかっている首輪はめんどくさいのでとっぱらっちまおうか。ここでは。
http://www.casaimperial.org/pictures_04.htm




背景デザインはVSガディウスの時の「ミルバの輪」とかをイメージしてもいいかもしれないが……。

ガディウス

「……気がついたようだな」クロノアからすこし距離をあけ、その高い身長で見下ろすように、語りかけるようにガディウスは言う。

クロノア 見上げるクロノア「……ガディウス」
ガディウス

表情変えず、ポジション変えずガディウス。ポン寄り?「ようこそ、わたしたちの王宮へ」

クロノア シネスコサイズでクロノアとガディウスをロングショットで写す?「ここは……」
ガディウス 上記シーンのコマにセリフを入れ込む。ガディウス表情変えず「君の、君のための、君が作った王宮だよ」
クロノア 上記シーンのコマにセリフを入れ込む。「王宮……?僕が作った……?」
ガディウス 「クロノア――この世界は自分のいるべき世界でないと思ったことはないか?」
ガディウス

高みにたった視点から語りかけるガディウス。大ゴマにセリフを入れ込むカンジ?

「この世界は君にさまざまな役目を強いる。
君の思い、考え、気持ち、望み如何にかかわらずな。
なぜなら元々、君はこの世界で必要ない存在だったからだ。
必要のない存在だったからこそ、世界は君にさまざまな役割を与えることができる。
君の体は利用される為に生まれてきた。
つまり私と同じ存在。われわれは、この世界のものではない、違う存在――」

クロノア 「そ、そんな、ぼくは……」愕然とするクロノアの顔UP。
ガディウス

ガディウスの正面アップをシネスコサイズで。ぐぐっと寄るカンジ。淡々と話すガディウスは判決を下す裁判官のよう。
「いいかい君は、世界の操り人形なんだ」


クロノア 「ぼ、ぼくは……」
ガディウス 「許せないだろう?他人の夢に自分の体を操られる気持ちは」
クロノア 「ぼくは……」
ガディウス 「……私は知っている。幼い頃から君は世界を空想していたことを。そして分かったんだよ。君の世界は自分がいるべき世界ではないということを。
私には世界を作り替える力がある。
怖がらなくてもいい。
さあ、わたしと一緒に世界を作りかえよう。君が望む世界へ。
そして復讐してやるのだ、この世界を――」
クロノア 「ぼくは……」何も話すことができない(そりゃそーだいきなり他人から決め付けられて断言されてるんだから何をいっていいのやら)クロノアの顔に、ガディウスが背をかがめてにじり寄る。焦点があわないクロノアの両目と、仮面を被って表情が見えないガディウスの顔が向き合う。
ガディウス 「怖がらなくてもいい。さあ、わたしと一緒に世界を作ろう。
そして復讐してやるのだ、この世界を――」クロノアに覆いかぶさるようにしてガディウス。両肩を持ち、そのまま文字通り“押し倒す”。わなわなと弱弱しく震えるクロノアの唇をむりやりこじ開け、かぶりつくように、ねっとりと泥臭いキスをする――という催眠幻術。手からビームとかそういうことしてあげたほうがいいんだろうけど相手の主体性を限界まで奪うってことでこっちのほうが面白いでしょう。画面はフェイドアウト。ケモい人のためにここからレイプシーンに入ってちんこいじりをしたほうが喜ぶだろうけどそっちが主眼じゃないからパス。ここから次のシークエンスまで間があるので、各自適当に展開は妄想しといてください。

5

ガディウスとクロノアがいる部屋に飛空ポッドが壁を破壊して突撃してくる(位置としてはベッドを基点にガディウスが立っていた側。なので画面の位置的には「クロノア・ガディウス・ポッド」となる)。巻き上がる粉塵。カメラはガディウス側につねに寄っているため、コマでは「何か爆発が起きた」としかわからない。起きた方角を振り向くガディウス。煙の中から何者かが歩いてくる。煙が晴れ、その姿が明瞭になる――それは人型(月の人形態?)になったヒューポーだった。ガディウスに「……お前か」とでも言わせるかな。テンポ的に。

ヒューポー ヒューポー、ガディウスに向かい決めセリフ「見つけたぞ!ガディウス!」
ガディウス

ガディウス、余裕の表情でヒューポーに宣言。クロノアの前に立ちはだかる。レイアウトはこんなカンジ?

「ふ、遅かったな。すでにエネルギーは十分に満ちている。クロノアの体をのっとり、今こそナハトゥムが生まれ出るのだ!」

ヒューポー

ヒューポー、我関せずといった表情で。顔UP「だとしたら僕がクロノアを連れ戻すまで!お前なんかに、クロノアを渡しはしない!」

ガディウス ガディウスの顔UP。ヒューポーをあざけ笑うように。口元をゆがませている。「渡すだと?彼はもともと私の傍にいるべき存在だ!」
クロノア クロノア、ベッドから起き上がりガディウスの隣からふらふらと画面IN。「……ヒューポー?僕は……」クロノアの意識は朦朧としているようで、表情が沈んでいる。
ヒューポー ヒューポー、手を下に広げてクロノアに叫ぶように語りかける。「クロノア!ガディウスの言うことに騙されないで!あいつは勝手に世界をゆがめて、間違った考えで君を洗脳しようとしているんだ!」
クロノア 「……じゃあ、ヒューポ――」クロノア、目を閉じ――眉間に皺をよせ、苦痛に顔をうつむかせて、悲鳴を上げるように声を張り上げ叫ぶ。「――君はなんで僕のために何もしてくれなかったんだよッ!」
ヒューポー 硬直するヒューポー。没セリフかも。「クロノア……」
ガディウス
ガディウス、クロノアの保護者であるかのように、クロノアの傍に寄りそい立って言う。2対1の構図。「そうだ!これが奴の真の姿だ!クロノア!奴は甘い言葉でまた君を騙そうとしているのだ!まだ君を利用しようとしているのだ!」
クロノア 縦長コマでクロノアのひざ上UP?まぁコマ割りによって決めます。表情、ポージングは「イノセンス」の最後に出てくる子供参考。思いのたけをぶちまけるように、その言葉に全部を込めるように「……もう、ヒューポーなんか友達じゃないよッ!どっかに行ってよッ!」
瞬間、ヒューポーの体が弾き飛ばされるように後方に飛ばされる。いわゆるイヤボーン――なんだけど、理屈としてはガディウスの力を得て――というかガディウスに無意識的に操られて、ガディウスの幻術を使っている、といったカンジか。クロノアは操り人形だと思っていただければ。
どかん、と突撃した穴のよこの壁に打ち付けられるヒューポー。にへら、とほくそ笑むガディウス。色々な思い、怒りや悲しみが頭の中にこんがらがって、憔悴しきっているといった風なクロノア。体はヒューポーの方をむいているが、視線はそらして、相変わらず顔をうつむかせている。彼を否定したいというより、正視したくないといったカンジ。
壁に体を打ち付けられ、そのままずるずると床に尻餅をついた状態のヒューポー。足はびろん、と前に投げ出しているか、方膝をついてわなわなと立ち上がる。
ヒューポー 猫背でヒューポー。「クロノア……でも……僕は……」この時顔はかくれて見えない。しかしがばっ、と顔を上げ、力を振り絞り足を踏ん張って、ヒューポーは立つ。顔全体をゆがませてヒューポーも思いのたけをぶちまける。僕は……君の友達でいたいんだッ!ヒューポーの目から涙のしずくがこぼれる。
ガディウス 「ははは、君のそのか弱き体では半歩も進めまい!」ガディウス、バッとマントをひるがえし、左手をヒューポーの方角にかざす。何もない空間から岩石を生まれ、ヒューポーにむかって投げつけられる。形状はVSガディウス戦を参考。ヒューポー、バリアっぽいものを貼ってそれに対抗。ニセ幻魔大戦勃発。月の国の人は空飛べるんだから、それぐらいはやって大丈夫でしょう。拡大解釈拡大解釈。ヒューポーはガディウスの攻撃を何とか防ぐが、じりじりじわじわと押されて、前に進めない。ここらへんの描写は『オーガス02』『装甲巨神Zナイト』のバリア描写参考。
ヒューポー

ヒューポー、両足を踏ん張り全身に力をいれガディウスに対抗するが、ガディウスの圧倒的な力の前になすすべもなく押し戻されていく。しかしヒューポーはクロノアに語りかけるのをやめない。「クロノア……思い出してとはいわない……」ヒューポーは顔をまっすぐ正面、クロノアの方に見据える。そして精一杯のほほえみをクロノアに投げかけ、語り続ける。
「でも、僕は楽しかったんだ。」ヒューポーは微笑む。安らぎを感じているとも思わせるその表情に、ヒューポーが最期の時を覚悟しているということが見てとれる。どんな気持ちだったか、口だけじゃなく、言葉以上にあらわそうとヒューポーは懸命になる。体力はすでに限界を越え、頬を脂汗が伝う。吹き飛びそうな意識を気力で保たせているといった感じか。しかしヒューポーは、クロノアに語りかけるのをやめない。
「君と過ごしたあの一瞬のときが!」クロノア、うつむいていた顔を上げる。しかしその言葉がヒューポーがはっきりと口にした最後の言葉になる。言い終わってすぐ、ヒューポーのまわりを囲んでいたバリアが消失する。ヒューポーがガディウスの攻撃に耐え切れなくなったのだ。仰向けに吹き飛ばされるヒューポー。ハイスピード撮影。涙とも汗ともつかない雫が宙を舞う。
「僕は君に会えて……」「本当に……よか――」セリフは文節ごとにわけて、コマに散乱させて配置?その言葉は声として外に伝わっているのか、それとも口を動かしているだけなのか、そもそも心の中に浮かんで消えた言葉なのかはわからない。しかし、ヒューポーの思いははっきりと、伝えるべき人に伝わっていく。
クロノアの下唇にクローズアップ。ヒューポーは再び壁に打ち付けられ、そこにガディウスの岩石が殺到。岩石によってヒューポーが押しつぶされようとしたその瞬間――
ふっ、とヒューポーの前から岩石が消失する。ヒューポーを圧迫していた力の波も消え、ヒューポーは先ほどと同じくズルズルドサッ、と床にしりもちをつく。ヒューポー、先ほどとは違って肩は下がり顔はがくんとうつむいて、全身に力がない。

ガディウス ガディウス、ヒューポーの方を向いていた顔をクロノアへと振り向かせる。「……!?何をしているのだ!クロノア!はやく奴にとどめを!」クロノアがガディウスの言うことを聞かず、ヒューポーに向かって歩き始めている。
クロノア 「ヒューポー……ごめんよ!僕は……」そう言って走り始めるクロノア。しかしガディウスの幻術がクロノアを押しとどめようとする。
ガディウス ガディウスが言う。「クロノア!お前はここに居るべき存在なのだ!私はお前を必要としてやっているのだぞ!」先ほどまでの口調とは違い、ガディウスの声や姿勢には必死さがにじみ出ている。ガディウスはどうやらヒューポーと同じようにクロノアを押しとどめることができないようだ。(まぁ、殺しちゃったら今後の計画に差し支えあるしね)
クロノア クロノアの顔UP。ガディウスに一瞥もくれず言い放つ。「――世界がどうかなんて関係ない!僕はヒューポーが居る世界に戻りたいんだ!」ゆっくりと、クロノアは一歩一歩に力を込めてヒューポーの元へ進んでいく。
ヒューポー 「クロノア……!」座ったまま上半身だけ前傾姿勢になり、ヒューポーは顔を上げる。右手をわなわなと前に向かって差し出そうとするが、見えない力――まぁつまりガディウスの力に全身を束縛されている状態なので、思ったように動かせない。しかし今はヒューポーだけに向かっていた力がクロノアとヒューポー二人に向けられて、力が分散されているため、ガディウスは二人の動きを押しとどめることができないのだった。徐々に縮まっていく二人の距離。引き離せないガディウス。
ガディウス ガディウスは叫ぶように言う。「あいつがお前の心を傷つけてもか!」構図としてはガディウスを奥にクロノアを肩ナメかなぁ。もしくは真俯瞰気味で
クロノア クロノアが答える。「ヒューポーは僕のためにそうしてくれたんだ!お前みたいな暴力じゃない!」上のコマと一緒に入れたい。
ガディウス ガディウスが言う。ガディウスの顔を正面からUP?「奴はお前の育て親を分かって殺しかけたのだぞ!それでもか!」
クロノア 「……ヒューポー!」クロノアの横顔(と、のばした右手)UPクロノアはガディウスの問いかけに答えない。しかしガディウスへの返答は明確だった。
ガディウス 「情にほだされおって……!」ガディウス、口元をゆがませ、憎憎しそうにそう言い放つ。そして右上を大きく横にかざす。コマ割としては以下のようなカンジかな。
クロノア ギャアッ!空気を一瞬で凍りつかせる鋭い悲鳴。その少し前にバキッ、と竹が割れるような音。その瞬間、クロノアは大きく前のめりになって倒れる。クロノアの左足が微妙に折れ曲がっている。
ガディウス 「友情だと!?貴様はそんなものに縛られ、苦しんでいたのではないのかッ!」ずるずる、と引き戻されかけるクロノア。しかし右足を使い、両手のひらを地面にぐっと、押し込むようにして力をこめ、肩も地面にこすりつけてクロノアは這うように前に進んでいく。
クロノア 「ヒュ……ヒューポーーッ!!」ここと上のコマはガディウスをうつさずに足を折られてもなお進もうとするクロノアを正面から描くカットがいいかな。クロノアはヒューポーに向かって手を伸ばす。激痛に顔はゆがみ汗は次々に額から流れ落ちる。涙もこらえられず流れるままに、クロノアはただヒューポーと再び手をつなぐことだけを考えている。
ヒューポー 「クロノアーッ!今そっちに行くからッ!」ヒューポー、最後の力を振り絞って、手をつきクロノアの元へ向かっていく。右手を目いっぱいのばすヒューポー。側面からシネスコサイズで地面は見せずにひじから上だけを見せるカンジ?
ガディウス 「私にはわかるッ!お前の苦しみがッ!」ここまでガディウスの顔UPのコマに入れ「現実の世界なんて醜いだけだ!クロノアッ!」「クレヨンしんちゃん、オトナ帝国の野望」の台詞パロディ、なんてわかりいくいですねこれ(笑)。それはさておき今度はクロノアの右腕がぼきっ、と折られる。その瞬間を捉えるコマ。右腕が後ろ上方に引っ張られ、前腕の部分が再びボキン、と折られる。
クロノア 完全に体が地面についた状態のクロノア左手右足でなんとかそこにとどまろうとするが、さすがに耐え切れず、ずるずるとガディウスの方向へと引き戻されていく。犬歯をむき出しにしてクロノアはヒューポーの名前を叫ぶ。「ヒューポーーッ!」
ヒューポー 「クロノアーッ!」ヒューポーは立ち上がり、クロノアを引き寄せようと手を差し出し――
クロノア 「ヒューポーッ――」クロノア、左手を大きく振ってヒューポーの手を――掴む。その瞬間の、手と手をうつしたコマ。クロノアはヒューポーを求める。ヒューポーはクロノアを引き寄せる。床にこすれて汚れたクロノアの手袋。同じくヒューポーの手。力強く握り合う小さな手と手。
ヒューポー、膝をつき抱き寄せるようにクロノアを開いた左手で招き入れる。クロノアはヒューポーの胸に顔をしずめる。号泣するクロノア。それを見つめるヒューポー。
クロノア 「……ごめんね、ずっと一緒だって、言ったよね……」悪いことをしたら子供って謝ることしかできないから文字通り声を震わせてごめんなさいって言うよねー的なクロノア。
ヒューポー 「うん……クロノア……大丈夫、離さない……。絶対に離さないから……」それに対してオトナな反応をするわけでもなく、ただただクロノアといることが嬉しい的なヒューポー。
しかしそこにガディウスの幻術が割って入る。二人の周りを岩石が取り囲む。

「ぐっ!」
ヒューポーは再びバリアを張るが、もうほとんど力は残されていない。
ガディウス 狂気に顔をゆがめてガディウス、声をところどころ裏返らせながら投げ捨てるように言い放つ。「……そうして居られるのも時間の問題だな。お前の力では私の幻術に立ち向かえまい。」ガディウスは完全にブチ切れて理性をなくしている。二人に向かい手を向けて「押しつぶされろ!そして私は、この世界の、王に――」
ヒューポー ヒューポー、不適にほくそ笑む。キッとガディウスの顔をにらみ、ガディウスの言葉をさえぎる様に言う「もう少し……もうちょっと……今だッ!」
場面が切り替わり、コマに描かれるのは空とぶ砦とそれを囲む飛空ポッドの群隊。ヒューポーの合図によって飛空ポッドに備え付けられた大砲がいっせいに、一点を狙い打って火を噴く。
ガディウス グワァッ!!!!!!ガディウスの体が千々に引き裂かれる。断末魔の叫びを上げ、ガディウスは消滅。コマ変わって塵になっていくガディウスを見上げる二人。ガディウスとクロノア、ヒューポー。彼らの間の因縁めいた対決は、とうとうこの時終結を迎える。

夜明け、にするかな?クロノアとヒューポーを乗せガディウスの居た砦から離れていく飛空ポッドの群れ。構図は地獄の黙示録のポスター参考(笑)。実際のベトコン村強襲シーンは昼間なのよねーん。あれはあれでかっこいいけど。後印象に残る人造スズメバチの群れといったら「ラピュタ」か。でもあれはにぎやかさ命の絵ヅラだし。そんな雑談は置いておいて、ロングショットで群れを写した後、ヒューポーとクロノアが乗る飛空ポッドにズームイン。とりあえずクロノアはケガしてるので毛布で包まれるか何かして座り込んでるだろうなぁ。で、ヒューポーはそれに寄り添うか、もしくは飛空ポッドを操縦しているか。でもここのシークエンスちょっとした余韻を残すためと次のシーンへのちょっとしたツナギだから別にいらんのよね。スケジュール問題になったら真っ先に切るということでシーン説明終。

6

クロノア 風の村の上に広がる透き通った青空。カメラはパンダウンして村の片隅にある診療所の窓をうつす。その窓から空を見つめるもの――それは戻ってすぐに診療所に収容されたクロノアだった。パジャマ姿になっているクロノア、空を見つめながら物思いにふける。
「(……世界が元通りにもどった。
じっちゃんは奇跡的に命がたすかり
じっちゃんの家もすぐに建て直されるらしい。
僕は……そういえば、僕はもう、この世界の住人じゃないんだ――)」
じっちゃん

外を向いていたカメラがくるっと180度回転。隣のベッドで寝ているじっちゃんがクロノアに声をかけてくるカットを、カーテンごしに。

松葉杖の真ん中の棒の位置違う…。
「……クロノアや」
クロノア 「どうしたの?じっちゃん」
じっちゃん 仕切るカーテンのUP。じっちゃんはここでは写さない。「クロノアが寝ているときに、ヒューポーが見舞いに来てくれての。手紙を置いて行ってくれたんじゃわい。」
窓際におかれた机の上にある手紙をUP。「……そっちの机にあると思うから、すぐに読みなさい――」
クロノア クロノア、手紙を封筒から取り出しつつ「ヒューポー……?」
  以下の、ヒューポーからの手紙の文面が見開き2Pにわたって綴られる。文字フォントはトリアシ文字(もしくはイスキリス文字)。そこに1行1行字幕をつけるカンジで。


クロノア さまへ

前略、そういえば、こうやってお手紙を出すことは始めてだね。それもそうだ。
僕たちは僕の世界で、“ずっと親友だった”ってことで、短かい時を過ごしたんだもんね。
だから、手紙を書く機会なんて無かったよね。そして僕たちは離ればなれになって、
僕たちは他人どうし、みたいな存在になったワケだ。
――なのに、君は、あまりにも僕にとって近い存在でありすぎて、僕が君のことを思うと、
言葉にならない感情が胸いっぱいにこみあげてきて、僕は息が詰まりそうになります。
……イヤだ、僕はやっぱり、君と離ればなれになるなんて、できそうにもないよ……。
君がくれたいろいろな思い出を、僕はそのまま文章にすることなんてできない……。

――心を落ち着けて、僕の世界についてを話すことにします。
クロノアのおかげで、僕の世界は無事に平和が戻りました。
僕の世界はすごくいい所です。思い出せないかもしれないから、
絵とか写真を持ってこれたらよかったんだけど……。
でも、僕は君の世界に来て、思いました。そんなもの持って来る必要なんてなかったって。
そんなもの持ってこなくても、君の世界には僕の世界に負けないぐらい、
美しい世界が広がっているんだって事を知って、僕は嬉しくなりました。
だから僕は、こんな美しい世界から君を、
無理やり僕の世界まて引き連れてきた僕に憤りを感じて、
そして僕は、この大切な世界をまもろうと、その意思を強くしました。

……これまでの話、クロノアにはよくわからないと思うから、今から昔の話をします。
僕の世界で昔、世界を滅亡させようとしたガディウスに対抗するため、僕はクロノアを呼び出したんだ。
そうして君に、僕は世界を救ってもらったんだけど、一つ問題が起こってしまった。
ガディウスの残留思念がクロノアにとり憑いて、クロノアの世界に飛んでいってしまったんだ。
ガディウスは悪夢を操れる。人の心の中を覗き込める。
だからクロノアの世界で、クロノアやみんなが想像できない悪さをするかもしれない。
それを防ぐために、ガディウスを倒すために、僕は君の世界に向かったんだ。
僕は正直、うれしかった。もちろんそこには君にもう一度会えるうれしさもあった。
……でも一番、僕の世界でできなかったこと――
僕が君のために尽くしてあげるということ。
それができるかもしれなくて、それだけで僕の胸は熱くなった。
――だから君が、ファントマイルで過ごしたことを覚えていてくれなくても、僕は良かったんだ。

愕然とするクロノアの顔UP。信じられない、といった表情。しかしクロノアは手紙の内容が真実であることを感じて――確信している。心のそこに残っているかすかな記憶と、それがまぎれもなくヒューポーの字であるということだけで、クロノアにとって十分すぎる証拠になった。

じっちゃん

硬直しているクロノアのシルエットにじっちゃんのセリフが被さる。「クロノアや……」

クロノア 「……」
じっちゃん ここで初めて、包帯でぐるぐる巻きにされたじっちゃんの姿がカメラに写される。作画参考『夕凪の街 桜の国』26P。ただあまり派手にやりすぎるとギャグと近似になるんだよな。そこらへんこうの史代はすご過ぎ。
じっちゃん、淡々とクロノアに語りかける。
「ワシはずっと、夢見がちなお前を見て、不安を感じとった。
ヒューポーとか言う妖精の話も、頭が勝手に作った妖精だと、そう思って、
お前を惑わすその妖精を、にくみもした。」
ここから回想シーンをインサート。クロノア1OPラストを参考?「枕元」を消して、暖炉際に現れてもいいかもしれない。とりあえずページのコマ埋めのために。
――だけどある時枕元に、お前の言うヒューポーという妖精が現れたんじゃ。
……ワシはビックリした。だけど理解したのはすぐじゃったよ。
……ヒューポーが、お前の友達じゃってことを。 」
ヒューポーからの手紙の文面がインサート
……僕が君の世界に来て、君が僕の事を誤解していることに気付くのはすぐでした。
そして僕の事や、僕の真実の姿を――そして僕の真の姿を知っても、
僕のことを友達だと言ってくれた事を君が忘れていることを知った時、僕は残念に思ったんだ。
――だけど、僕は思ったんです。
クロノア 「……」顔UP同ポ。ポン寄りで瞳に。涙を目にためているクロノア。
じっちゃん 「クロノア……行ってきなさい」じっちゃんの顔UPポン寄り。ページのラストゴマ。
クロノア

外に出て、松葉杖をつきながら村の中を必死に走るクロノア。走れんのか、っていうツッコミもあるけど、まぁ、走ってるんだよ。そういう風に見えるんだ。カメラ正面から。コマの位置はページ右に。「違うんだ!ヒューポーッ!行かないでッ!!」

ページ左に。ヒューポーからの手紙の文面がインサート
君がファントマイルで抱いた感情は、僕によって作られたものだ。
僕は君の記憶を作った。君が僕の親友だって、ね。
親友だからこそ、僕をいつまでも友達と言ってくれたし、僕と離れたくないって、感じてくれたんだ。
――つまりそれは、君が感じるはずのない思いだったんだね。だから僕は、それを償わなければならない。
クロノア

クロノアは頭にうっすらと残る、思い出しつつあるファントマイルでの記憶をたどって、ヒューポーの世界でヒューポーと分かれたところと似ているところまで走っていこうとする。カメラやや斜め。ここではまだ村の中。ページ右に。「ヒューポーッ!違うよッ!僕は君の事を――」

ページ左に。ヒューポーからの手紙の文面がインサート
……こう言う僕のこと、クロノアは嫌いだって言うかもしれないね。
僕は、君に一生あわないことで、心にできた傷をそっとしておくことで、僕の償いにしたほうがよかったかもしれない。

ページ右に。ヒューポーからの手紙の文面がインサート
でもごめん……。君が僕のことをどう思っていたって、僕は君に抱いた感情を、すてさったり、書き換えたりできない。
――クロノア。僕は、君のこと、好きだ。

クロノア まだ村の中。走る姿を側面から。クロノア、叫ぶ。ページ左に。ページのラストゴマ「友達だよッ!ヒューポー!ずっとずっと!僕たちは友達だッ!」
 

ヒューポーからの手紙の文面がインサート
短い間、僕は君の親友であろうと、君に僕のことを親友と言ってもらおうと、僕は努力したんだよ。
ちょっと押し付けがましかったけど、僕は、君に親友って言ってほしかったんだ。

クロノア どしゃーっ、と石にけつまづいて転ぶクロノア。頬を思いっきり地面にこすり付ける。首をのばし、頭をぐっと上げて。「ヒューポーッ!行かないでッ!」
 

ヒューポーからの手紙の文面がインサート
……どうかな、クロノア。僕のこと、どう思ってる?

クロノア 松葉杖を視点に、クロノアは立ち上がる。砂埃にまみれたパジャマ。土に汚れた頬。ぬぐわず、振り払わずに叫ぶ。ヒューポー!!
  ヒューポーからの手紙の文面がインサート
答えはいらないよ。僕はただ、ただ、もう一度君に会えたことがうれしくて、涙が、とまらないんだよ……。
クロノア ページのラストゴマ。よろよろと歩きながらクロノア。「僕も傍にいるだけで……君がそばにいてくれるだけで……!」
  ステージ1−1のつり橋を渡っていくクロノア。そこにヒューポーからの手紙の文面が被さる。
じゃあ、これで、最後にするね。
クロノア。君は弱くなんてない。
クロノア クロノアの上半身UP。背景には風車小屋が。「だからずっと、傍にいてくれたらって……!」
  ステージ1−1のつり橋以降の、丘に登っていく、切り立った崖に穿たれた道を行くクロノア。ヒューポーからの手紙の文面が被さる。地形参考はステージ1−1と公式攻略本のあらゐマンガ参考。
僕がいなくたって、この世界はキミ一人で、じゅうぶん生きていける。
僕はもう、行かなくちゃならないけど、君は、それに不安を感じなくて、いいんだからね。
そしてとうとう、クロノアは別れの道にたどり着く。肘を折り曲げ目をおおきく見開くクロノア。
クロノア クロノアの顔UP。「ヒューポー……!」ページのラストゴマ。この後、白いページを1枚はさむ。そして見開き。その次は1P大ゴマ連発。

レイアウト悪くて色々と怖いね…。

まっ白なページの中央にこう一言。
ありがとう、クロノア。さようなら。

7

 

―ー風の村に朝が来る。ヒューポーが居なくなってから××日後の風の村。
まだ山の裾のほうにうっすらと夜闇が残る明け方、家々の間を縫うように走る少年が一人。
――彼は風の村のクロノア。村の人に牛乳配達をしているところだ。
8時になって、子供たちは教会へと集まりだす。
村では教会が学校になっていて、クロノアも教室の隅っ子で授業を受けている。
午後の放課後は、友達とあつまって広場で野球。
クロノアも混じっているが、途中で抜け出す。
今度は夕刊の新聞配達をしなくちゃいけない。
帰ってくるころには日が暮れはじめていて

クロノアは夕食までの間、2回の自分の部屋で机に向かって何か書きものをしているようだ。
学校の宿題だろうか。カメラはそんなクロノアの姿を後ろから写す。
街のシーンのモブは攻略本の没設定参考。

じっちゃん じっちゃん、エプロン姿で台所に立っている「おーい、ごはんじゃぞー」
クロノア 上のコマ上からフキダシを書き「はーい」
  じっちゃんの声に呼ばれて、クロノアは階下へ降りていく。
階段をおりていくクロノアを正面からとらえるカット(作画大変ダー。ダイジョーブかな?)の後、
カメラは扉が開きっぱなしになったクロノアの部屋を、扉の外から写し、
そのカメラの中心に捉えられたクロノアの机の上においてある、書き物をしていたノートをUP。
――そこにはクロノア1のEDに出てきた、あの本のはじめの文章が書いてあった。
 
そして僕は不思議に思う。

あさ目がさめると確かに見たはずの夢が

思い出せないことがある。

その夢はいったいどこへ行ってしまうんだろう。

でもその日の夢は

鏡を見るようにはっきりと覚えているんだ。
 

やがて巡り来るこれからの日々のために END




後書きのページにちらっとこんな文字を。
いまでは本に記された数々の思い出は、バックアップストレージの中に静かに眠る。風と共に、涙と共に。
――由水桂