好きな＆気になるメカ画集
偶然その存在を知り、思わず注文していた「ARMORED CORE DESIGNS 4 & for Answer」という画集が手元に届きました。自分はアーマードコアシリーズに思い入れは特になく、まず当該ゲームシリーズ自体をプレイしたことがない体たらくなのですが、僕が好きな出版社の一つであるボーンデジタル社の書籍であるということで、即購入決定。さっそく読んでみたところ、値段に恥じない情報量に圧倒されました。
「お絵かき速報！萌え絵上達法」というブログでも、「ARMORED CORE DESIGNS 4 & for Answer」の内容が紹介されているようです。
かっこいいメカのイラストがたくさん拝める画集もいいのですが、自分はこういった、メカの周辺パーツや世界観を表現するようなイラストや、その解説あるいは創作の思考過程の文章が添えられた内容のものが大好きで。「設定資料集」とはまたちょっと違った、作品のテーマや作者の方の価値観も含めて楽しめる内容のものをよく探し求めています。今回の記事では、そんな自分が気に入っているメカ画集や気になる画集を備忘録的に書き記してみます。
（ちなみに「ARMORED CORE DESIGNS 4 & for Answer」はamazon.co.jp以外でもいくつかのネット書店で取り扱われていて、amazon.co.jpに在庫が無かった場合はそちらをチェックされてもいいかもしれません。）
■ZOIDS concept art
タカラトミーから販売されている玩具シリーズ「
ZOIDS」の世界観を用いて作られた、とある惑星の開拓史を紹介するといったスタイルの画集がこの「
ZOIDS concept art」。3Dモデルやテクスチャ素材を利用して作られたイラストは緻密さなどはないものの、ライティングやフォグ演出によって雰囲気や情感が伝わってくるものに仕上がっています。
「ZOIDS」という世界観や、ビジュアルの充実度を求める方は迷われるかもしれませんが、画集とストーリーを上手く組み合わせた同人誌の製作を検討されている方には十分参考になる画集になっているのではないでしょうか。
……ちなみに、この本を紹介するためにamazon.co.jpを覗きに行った時にはじめて、「
ZOIDS concept art ��」が発売されていることに気づきました。買わねば……。
本書の内容はほかにも、amazon.co.jpの販売ページにてアップされているカスタマーイメージからチェックすることができます。
■Methods―押井守「パトレイバー2」演出ノート
アニメ監督押井守のメカうんちく本と言えば、竹内敦志の画稿と共に長大偏執なテキストが楽しめる「押井守・映像機械論[メカフィリア] 」があり、こちらも読み物としてオススメなのですが、今回はあえてこちらをチョイス。
現在の日本の一般的なアニメの制作システムにおいてはまずカットごとに「レイアウト」と呼ばれる一枚の線画を描き起こし、それを下書きにして背景やセル画の動く人物などを描いていくのですが、「METHODS」は「機動警察パトレイバー２ the Movie」において用いられた「レイアウト」がびっしりと掲載されているマニアックな本です。
人物がメインのものや、中には「ヘルメットの中に満杯に入れられた小銭」など、おおよそメカニックとは程遠い内容のレイアウト原図が多いが、近未来の大型ロボット警察チームをテーマにした映画であるが故に、メカニック関係の図版はてんこ盛り。
そして、なによりもこの本を際立たせているのが、各レイアウト原図に添えられた押井監督の緻密な解説！
「いかにしてこのカットを組み立てたか」「この内容のカットならばどうカットを組み立てるか」といったような内容のことが、１Ｐあたり３枚ほど掲載されているレイアウト原図一つ一つにこうして添えられているのだからたまらない。
メカ以外にも、絵を描く時の構図指南にも参考になる濃密な本です。
ちなみにこちらの本は遠い昔に絶版になったものを復刊ドットコムの熱意により、小部数ながらも再販を何度か行っているといった状況で、amazon.co.jpではなく復刊ドットコムの販売ページから購入するのが賢明です。
参考：パースや構図など、画面の演出法を徹底的に解説された良書 Methods―押井守「パトレイバー2」演出ノートレビュー
（お絵かき速報！萌え絵上達法より）
■速水螺旋人の馬車馬大作戦
こちらも入手困難本なのですが、その内容の濃さとこの本を作り上げた速水螺旋人という歴史・軍事うんちくの巨人を紹介するために紹介させていただきます。
ちなみに他の速水螺旋人の本だと、「
螺旋人リアリズム ポケット画集」が現在購入可能なようですが、私はまだ未購入であるということと、本の判型の大きさからあえて「馬車馬大作戦」をご紹介。
「宮崎駿の雑想ノート」が好きな人なら絶対に気に入るであろう、丸っこくてかわいらしい絵に添えられた、軍事や歴史にまつわるありとあらゆる話題の小ネタがびっしりとイラストの周りに埋め尽くされている内容はまさに圧巻。それが延々、300ページ近くつづられるのだからたまらない！
ちなみに速水螺旋人氏は「ボストーク通信社」という同人サークルで同人活動をされており、COMIC ZINのネットショップから氏の同人誌を購入することができます。絵とうんちく文章てんこもりの内容は「馬車馬大作戦」と変わりませんが、ネットではなくぜひ、コミックマーケットやコミティアで実際に「ボストーク通信社」に足を運ばれて購入するのがいいでしょう。
■Intron depot 1
士郎正宗の画集は
他にも多数出版されていて、えっちな意味では「2」以降のものを購入するのが良いのですが、やはり自分が好きなのは断然「アップルシード」「ドミニオン」「攻殻機動隊」のほか「マシンヘッド」誌の表紙イラストなど、ＳＦ的な内容のイラストが多数おさめられている「1」。
細かく緻密な線で構成されるメカイラストと共に、絵に描かれた武器装備などのちょっとした解説が楽しめます。
士郎正宗自身のうんちくや劇中の世界設定解説だと、「
アップルシード データブック」が密度では他書を圧倒していてオススメですが、今回はイラストメインの本の紹介ということで『intron depot 1』をチョイス。
本書の内容や、他の士郎正宗関係の書籍については、こちらのサイトがとても詳しく解説なされています。
sTwo - 士郎正宗の温故知新！ - 画集 INTRON DEPOT
（sTwo - 士郎正宗の温故知新！）
■その他、ちょっと気になるメカ画集
・M.S. ERA
解説文は抑え目でビジュアル重視の中身になっているため、ガンダムが好きでない方にはなかなかおすすめし辛いかもしれませんが、引用させていただいたイラストに「ピン！」と来るものがあったら、お手に取られてもいいかもしれません。
また、この本にははいくつかのバージョンが存在するため、気になったバージョンのものを中古で購入されてもいいでしょう。
MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集
M.S.ERA 0099 機動戦士ガンダム戦場写真集
・ガンダム・センチネル
・機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099
ガンダム・センチネル
モデルグラフィックス
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機動戦士ガンダム公式設定集 アナハイム・ジャーナル U.C.0083-0099
サンライズ メディアミックス書籍編集部
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未購入ですが、加野瀬さんにオススメをいただいた本としてこちらの二冊を。
・「ガンダム・センチネル」は
ロボ画集という括りを外してもある世代のオタクにとっては重要な書籍らしく、５年前に紹介されてから読んでないことに加野瀬さんにツッコまれてしまいました。
安ければ気軽に買えるのだけどな、と思いつつも中古価格がなかなか１０００円以下に下がらないので、やはりみなさん大切に保管しておられるということなのだろうか……（笑）。
ガンダム・センチネルという企画の異質さについては「『ガンダム・センチネル』という「トラウマ」 」 というページが参考になります。
・アナハイム・ジャーナルはamaon.co.jpの販売ページに記された「ハービック社などMS開発関連メーカーからAirUNAに至るまで企業ロゴ約40点収録！」という文言が気になる内容。
こちらの書籍については、加野瀬さんがご自身のウェブサイトで解説されていますのでそちらをぜひ。
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・The Art of District 9: Weta Workshop
・THE ART OF TRON:LEGACY
ハリウッドの大作映画は「The Art of〜」という冠がつけられた、コンセプトイラストなど多数の画稿が掲載された画集が出版されることが多く、映画「
第９地区」などなど製作資料集とも言うべき書籍を購入することができます。
その中で「トロン・レガシー」のように一握りの作品が僅かに邦訳されて日本でも出版されるのですが、どの書籍も
この通りにかなり充実したイラスト集になっているので、英文が読めなくても十分楽しむことができるでしょう。
洋書として輸入され、amazon.co.jpなどで販売されることが多いので、お気に入りのハリウッド映画の設定資料集を探されてもいいかもしれません。
また、映画以外にもアメリカで製作された大作ゲームの「The art of〜」シリーズが出版されることがあり、こちらのブログ記事でいくつかが紹介されています。
海外ゲームのコンセプトアート集 (ARTIFACT@ハテナ系 より)
・「ボーンデジタル社」「designstudiopress社」の本
・出雲重機
・マシーネンクリーガーBD
・機甲天使ガブリエル
その他、気になってはいるものの購入していない＆中身をチェックしたことがないメカ画集をいくつか書影とタイトルだけご紹介。
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